池田信夫のアゴラの記事があまりにアホな件。そこからファンダメンタルFXの知識を学ぶ
アゴラという有名なブログに投稿している、これまた有名な池田信夫さんがあまりにも間違った事を書いていたので、ビックリ!!
このブログはFXに関する知識について書くもので、本当ならわざわざ取り上げる内容ではないですが、ファンダメンタルの知識にも少し関わってくるのであえて取り上げました。
池田さんの問題の記事は、「ギリシャはなぜ借金を返さないの?」
http://agora-web.jp/archives/1629814.html
そのなかので彼の主張はこうです。
ギリシャはユーロ(EUの通貨)から離脱して、自分の借金を減らすことができるのです。
(引用元:アゴラ http://www.agora-web.jp/)
その根拠はなにか?
というと
たとえばギリシャがユーロを離脱して、1ユーロ=340ドラクマ(ユーロに加わる前の為替レート)で国債を借り換えたとしましょう。ギリシャから見たヨーロッパの銀行からの借金(ユーロ建ての国債)の残高は
317億ユーロ×340=約10兆ドラクマ
ですが、ここで為替レートが1ユーロ=340ドラクマから1000ドラクマに暴落すると、同じ額面で
10兆ドラクマ÷1000=100億ユーロ
になります。つまりギリシャは、ユーロから離脱するだけで300億ユーロ以上の借金を100億ユーロに減らせるのです。ギリシャの政府がユーロから離脱したいのは当然ですね。(引用元:アゴラ http://www.agora-web.jp/)
簡単に言うと、ユーロから抜けだして、ギリシャが時刻の独自通貨のドラクマに戻せば、借金を100億ユーロに減らせる。
というものです。
はい、ウソです。まるごと間違いです。
なぜ間違いか?
それは国債をユーロ建てで発行しているからです。
ユーロ建て、つまりユーロの金額で国債を償還(ようするに借金返済)をしなくちゃあいけません。
だからドラクマにしようと、しなかろうと返す金額は317億ユーロです。
動かない。
決して100億ユーロなどに下がることはあり得ないからね。
ここがあまりにもアホなのです。
本当の話しを書きますよ。
池田さんの仮定を使います。
為替レートの額面がユーロに対してドラクマが1ユーロが1000ドラクマになる場合、
約3分の1にドラクマの価値が下がるので、返済するドラクマの金額は約10超ドラクマから
約30超ドラクマくらいにむしろ増えます。
これが真実。
彼の主張が正当性を持つとしたら、それはユーロ建てではなく、ドラクマ建ての国債の場合です。
その場合は確かに債務は減ります。
たぶんそもそも彼が誤っているのが、
つまりこれ、発行済のユーロ国債をドラクマ建て国債に変更するってことですよね?
ユーロ建てじゃないじゃんw
仮説の前提がユーロ建てじゃないのに、ヨーロッパの銀行からの借金(ユーロ建て)ってところが矛盾してるんです。
あと、信用が全くないドラクマ建ての国債にすることなんか絶対にできるわけ無いじゃん。
信用高い資産をそのままジャンク債にすることなんて、債権者は誰も認めませんよ
というわけで、池田信夫さんは金融知識としてはあまりに初級なことを理解できてないことが判明しました。
まあ、アゴラだけに言論の自由ってことですかねー
ここからこのブログの読者の方に知ってほしい事はただひとつ!
国債(政府の借金)を自国通貨建てで発行しているのか、外国の通貨建てで発行しているのかは、各国の中央銀行が取る金融政策に大きく影響します。
景気が悪い時に、通貨価値を下げる(インフレ)にすることは中央銀行がよくやります。
日本銀行がその典型ですね!
黒田バズーカを打ち込んだアレです。
でもね、それができた1つの要因は、日本の国債発行は自国通貨(円)建てだからです。
もしドル建てだったとすると、インフレで通貨価値を下げてしまうと、借金で返さなければならない日本円の量が増えてしまいます。
1ドル100円
国債1億ドル
だと仮定して、
返済する借金は、円に換算して
100円 ☓ 1億ドル = 1兆円
です。
金融政策により、1ドル200円になったとします。
すると、
200円 ☓ 1億ドル = 2兆円
になります。
なんと、借金が2倍になっちゃった!!
ってことになるので、下手に通貨価値を下げる金融緩和なんてできません。
これがFXで投資をするうえで、1つの重要な知識になるのです。